つながりを作ること 〜 「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」を読んで

今回の本

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どうやら私は、1日に一塊は外に出ないとイライラしたり虚無感に襲われる人間らしい。
と言うことが最近わかってきた。

土日休みの時、土曜日家から1歩も出なかったら凄く損した気持ちになった。
日曜日特に用事はなかったけど、「本屋さんに行って本でも買って喫茶店で読むか」と出かけてみた。
その時本屋さんで出会ったのがこの本。

前に本屋さんに訪れた時も気になったけど、その時は別の本を手にしてしまった。
表紙が黄色で目立っている。そしてこのタイトルは何なんだ と思ったことを覚えている。


アマゾンに書いてあった概要は以下の通り

夫と別れ“出会い系"で知り合った人に本をすすめた書店員の話

刺激的なタイトルの通り、本書は出会い系サイトを介して知り合った人に本を薦めまくった実体験に基づく仰天の実録小説。作者の花田菜々子さんは現役の書店員というから驚きだ。

「私の体験談をおもしろがって聞いてくれる方もいれば、『危険だ』と苦言を呈する方も勿論います。物騒なニュースが報じられることもありますが、出会い系サイトで事件に巻きこまれる確率と路上で交通事故に遭う確率はきっと同じ位ではないでしょうか。ツイッターのオフ会でも知らない人と会えるけど、もっと荒っぽい手段でなければ、私の“傷"は癒えないという直感があったのです」

2013年冬、夫に別れを告げて家を飛び出した花田さんは、当時働いていた「ヴィレッジヴァンガード」の仕事にも行き詰まりを感じていた。ままならぬ日々を送る中、ふと目に留まったのが「知らない人と30分だけ会って話してみる」という出会い系サイト「X」だった。

「私の人生を客観的に見ると、夫婦関係は上手くいっていないし、仕事も楽しくない。かといって、夢中になれる趣味や充実したプライベートがあるわけでもない。『あ、何もない! 』とゾッとしました。ヴィレッジにいる限りは、話す内容も考えていることも、だいたい同僚と一緒です。もし違う空間に身を置いたら、どんな言葉を他人から聞けるんだろう? 逆に私は他人に対してどういう言葉を発するんだろう? と思って。今いる場所から抜け出したいという気持ちから、『X』に登録しました」

プロフィール欄に個性を出すため、悩んだ末に書いたのは「今のあなたにぴったりな本を1冊選んでおすすめさせていただきます」。エロ目的の人、平気で嘘をつく人――「X」は魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界かと思いきや、フリーの写真家を目指す女の子に励まされ、笑顔のすてきな映像作家と意気投合し、優しい女性のコーチングを受けて号泣もした。人との出会いを繰り返すうちに、本の薦め方にも変化が生まれたという。

「アマゾンのレコメンド機能のような主観のない紹介が主流になりつつある今、人間が本を薦める意義を考えると、生の言葉を混ぜ込むことなのかな、と。『なぜこの人に、この本を紹介するのか』という部分を省略せず、ポジティブな言葉で伝えることが、本と人を繋ぐ接着剤になる。読書のモチベーションも高まるし、その本の付加価値になると思うんです」

評者:「週刊文春」編集部

(週刊文春 2018年06月21日号掲載)
出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと (日本語) 単行本 – 2018/4/17


出会い系ってすごく危ない印象があったけど、知らない人と自分の話ができると言うのはとても魅力的だなと感じた。
自分を知っている人、一緒に働いている人には喋りにくいことでも、一度きりしか合わない人にだけは話せることもあると思う。

今、私はつながりに関する研究をしている。そこで出てくる問題は、つながりとは何かと言う事。
研究では大体、よく連絡取る人を上げてもらったり、紹介した人をたどったり、そんな感じでつながりを作ってつながりがもたらす影響を調べている。
でも、研究の中では取り上げられない人も実際にはいるのが現状。1人の人の全てのつながりを把握する事はそもそも難しい。
特に1度きりしか会ったことがない、実際会ったこともないけれど、その人にとって影響与えた人だっていると思う。それをどうやって研究で検証していったらいいのだろうか。

研究の中ではある条件の中でのつながりばかり見ている。それって本当にいいのだろうかと、ずっと思ってきた。
でも研究を進めなければならないから、蓋をしていた部分もある。


自分の中でいちど、つながりを定義したことがある。その時つながりは2つの方法で定義できると感じた。
社会構造上でのつながりと心理的距離でのつながりである。
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要約するのが苦手で、この本と合わせて記すのは難しいけれど、つながりについて今一度考えたいと思った。
あと、私も知らない人と会って話してみたい。少し怖いけど。
その人のひととなりと、生き方について聞いてみたい。研究と言う固い側面じゃなくて。そんなふうに感じた。

(音声入力をしているため、変な文があるかもしれません…)